愛してるの言葉だけで。


生きて行くの。

強く強く。自分を信じて。



しばらく声を上げて泣いたらスッキリした。



「新井くん、ありがとう。もう大丈夫だから教室行こう?」



私と新井くんは保健室を出て、教室に向かって歩いた。


いつも横には幸信がいたのに、

今は新井くんがいる……


なんだか、不思議な気分だ。



「朝早く来て正確だったな」


「ん?」


「また聞こえたんだ。夏希が心配だから学校へ今すぐ行ってくれって…俺ってエスパー?」



私は微笑みながら「そうかもね…」って言ったんだ。


ねぇ…

幸信なんでしょ?


新井くんに学校に行けと言ったのは。


幸信は消えてない。


私の胸の思い出として生きてる。


きっと、空の上で笑ってるね。
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