愛してるの言葉だけで。
──ガラガラッ…
教室の扉を開けて教室に入った。
その途端にシーンと静まりかえった教室。
あれ…
「夏希…」
「夏希ちゃん…」
千尋ちゃん…?
未央ちゃん…?
「夏希ー!!」
「夏希ちゃーん!!」
二人がそう叫んで私に抱きついてきた。
ちょ…え?
どうしたの?
「良かったよ~!夏希ちゃーん!」
「凄く心配したんだからね!」
二人とも…
そして気づけば、クラス全員が私達を囲んでくれていた。
「坂井、俺達も心配してたんだぞ?」
「心配かけんなよ」
「もう倒れたりすんなよな」
みんな…
「心配…してくれてたの?」
「当たり前だろ?夏希ちゃんは、1組の仲間なんだから!」
聖也くん……
せっかく泣き止んだのに、みんなのせいでまた出て来たじゃない。
でも、今度は悲しみの結晶じゃなくて
喜びの結晶が出て来たよ。
「ありがとう。心配かけてごめんなさい」