愛してるの言葉だけで。
「俺は一回死んでるんだ……簡単に言えば俺は幽霊」
ユウレイ…?
幸信って死んでるの?
幸信の言葉が何回も私の頭を駆け回っていた。
でも全然理解できなかった。
「とにかく、そうゆうこと」
幸信が普通じゃないことは、わかってた。
だけど、幽霊だったなんて思いもしなかった…
「俺が幽霊だと嫌か?」
幸信が下を向きながら言った。
「そんなことない!幽霊でも幸信は幸信だもんっ。そんなの関係ない」
「あはは!サンキュー」
幸信は笑ってた。
幸信が笑った姿を初めて見た。
…とても新鮮だった。
前は声で幸信の表情を想像してたのに、
今は、幸信の姿がちゃんと見えてて…
──沢山の桜の木の下で私は幽霊の幸信と初めて会った。
下には桜の絨毯。
上には沢山の桜…
この瞬間から私達の切ない結末へのカウントダウンが始まっていたのかも…