愛してるの言葉だけで。
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気づけば俺は洋子のそっくりさんに全てを話していた。
…本当にそっくだ。
ほら、そうやって人の話を聞いただけで感動し涙を流すところとか。
「俺は洋子とのことがあって人と関わることが怖いんだ…」
どうしてだろ…
坂井には包み隠さずに全て話せる。
やっぱり洋子に似てるから?
「大丈夫だよ。きっと大丈夫…。みんな、洋子さんみたいにいなくならないよ?大丈夫、大丈夫…」
不思議だ。
こいつが大丈夫だと言うと、本当に大丈夫のような気がする。
──ドキッ…
何を思ったか、坂井が俺の手を握り、
「少しずつ頑張ろう?」
と言った。
少しずつか……
大丈夫か?
いや、きっと大丈夫なんだよ。
少しずつ前に進めば。
この手を信じていれば……
洋子…
見ててくれよ…
俺、がんばるから。