いつか、そうさ
い
「ねえ、ここ分かんない。」
前の席の広い背中をシャーペンでつつく
「ん?どこー…?」
振り返って私の問題集に目を向ける
ああ。
もうすごい好きだ。
好き…好き
そう思ってると顔を上げたら
「…昨日も教えたじゃん」
けだるそうな声で答える
「だってえ…」
分かんないもん!
…でも私は知っるよ
「しょうがねえなあ。これは公式1を使って…」
呆れたように笑ったけど、ちゃんと教えてくれる
あんたの優しいとこ。
知らないでしょ?
私があんたを好きなこと。
今日もやっぱり公式頭に入らないや。
だってドキドキしっぱなしだから…。