今すぐ会いに来て
「水つめたいて……紗耶が海がいいって言ったんだろが」
紗耶は両手に靴を持ったまま
裸足で砂浜を歩いていく
「春ー…裸足の方が気持ちい……春も裸足になったら??」
「……やだ」
「なんでーッ!?気持ちいいょー??」
「足べとべとすんのやだもん」
「なにそれーーッ!?」
勢いよく振り返った紗耶がよろめいた
――――だから俺は華奢な紗耶の体を支えた
小さくて温かい体が俺の腕の中にあった
――――このままずっと時が止まればいいって
思った