§君に殺されるなら本望§ 〜Smoke junkie〜




はぁ、



しかしなんだろう



この胸の動悸は




いまだバクバクいっている



「う~ん。なんかまだバクバクいってる。そんなに驚いてなかったはずなのになぁ…」



歳かなぁ…



そういったら



「はっ…お前鈍いからな。反応も後からくるんじゃねーかぁ?」



とからかわれ、すこしむくれる。




杉下くんは新しい煙草に火を点火すると、



華麗な流し目でこちらを見てきた



あー、これ。自覚ないんだろうなぁ




暫くの間



あたしたちはじっと視線を絡ませていた





どれくらいの時がたったのだろう


ほんの一分くらいの出来事だったのかもしれない。


それを教えてくれる人間なんて当然いないわけで。





「ねぇ」
「おぃ」






あたしたちは同時に口を開いた。




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