§君に殺されるなら本望§ 〜Smoke junkie〜





「っくしゅ!」




「お前、最後までかっこつかねぇ奴だな…」




おら、行くぞ。




あたしの手をとって屋上階段の踊場をあとにしようとする杉下くんに




「え、えへっ…歩けない」



と苦笑いで言うには相当な勇気がいった。



なんだかいろいろと使い果たしてしまったようだ。

杉下くんのこめかみに青筋が浮かんだのなんて

あたしには見えなかった











「ちっ…なんで俺が…」




「杉下くん、いい身体してるね」



「黙れ変態」




只今あたしは杉下くんにおぶられています。


「人におぶられるなんて何年ぶりだろ!」



杉下くんには申し訳ないけど

楽しくて、楽しくて


仕方がない。





そんなあたしをよそに


突然

ぴたりと足が止まったから何事?と顔をあげると



「え?現国の準備室?」




国語準備室の他に、なぜかある


うちの担任しか使わない部屋。


ちょっと…ここはまずいんじゃないかなぁ杉下くん。


「安心しとけ。誠秋は知り合いだ。」




そういってかちゃかちゃと鍵を開けた。



自由すぎるよね、杉下くん。




とゆーか、初耳だよそんなの。





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