愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~

「セリさんと『お友達』になったと彼女から伺ったのですよ。

『お友達』と一緒のほうがより楽しいと思って」


私と岳尚様は並んで座り、私たちの向かいに超不満げな顔の香椎くんと香純さんが座っている。


確かにね。

顔も知らない本当に初対面の人を連れてこられるよりは、香純さんでよかったって思うには思うんだよ。

けど、香椎くんの顔を見ると初対面の人のほうがよかったんでなぃ?って思う。

それくらい不満がありありと顔に滲みでている。

その隣で泣きそうな顔をしている香純さんがいて、とても不憫に思う。

このオーラは痛いよね。

雰囲気変えなくちゃ!!


「折角のダブルデートですから、みんなで仲良く楽しみましょうよ」


にっこり。

とにかくここは穏便に。

いや、今日は穏便に。

ね、香椎くん!!


特に香椎くんに向かって『頼むから笑ってやり過ごせ!!』的な心の声を飛ばしてみる。


それに気がついたのか、香椎くんは小さく深呼吸すると


「そうですね、お嬢様が楽しめないデートでは困りますから」


そうにっこりとほほ笑み返してくれた。
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