愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
そんな私に香椎くんはフフッと口元を緩めると。
「教えてもいいのですけれど、一つ条件が」
嫌な予感ががっつりする、その笑顔の正体を知りたいような。
いや知りたくない気がする。
「条件?」
「はい。
たった一つだけ」
鼻先にまっすぐ差し出される香椎くんの人差し指。
その奥に揺れる……悪魔の微笑。
「それを頂けるのならば、全てを教えてさしあげますよ。
そう……いますぐにでも……ね?」
『さぁ、どうする?』
トントン。
鼻先を指で押される。
なになになになになになになになにッ!?
「それ高いの?」
お金で解決と考えるのは、金持ちの悪い習性?
でもお金で解決できるものなら、即決よね。
「お金が欲しいと思われますか?」
『このオレに限ってそんなものだと思う?』
って目が言ってます。