愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~

「き……」

「き?」


一歩近づいてくる香椎くん。

顔が鼻先。

唇はすぐそこ!!

ちょっとちょっとちょっとちょっと。

近い!!
近すぎる!!


心臓がドキドキドキドキドキドキドキドキ。

鳴りっぱなしの、動きっぱなしで。

もう顔なんか見てられないしッ!!


「キスする?」


とか言わないで!!


ブンブン。

思いっきり首を振る私の頬に、香椎くんの指がそっと触れる。


「欲しいのはキミ」


ドクンッ!!


たった一言でそれまで恐ろしいほど早く動いていた私の心臓が、一気に動きを止めた。


「欲しいのはキミだけ。

それ以上も以下もない」


私……今、一瞬で殺された。
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