愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
ふと今朝の香椎くんの言葉が蘇る。
『何があってもオレを信じてくれる?』
強い光。
強い眼差し。
彼なら……信じられるのかな?
掌に踊る碁石をギュッと握る。
おばあちゃんが昔言った通り。
これがすごく大事なもので。
絶対に信じられる人にしか見せちゃいけないものだとしたら。
今、私が本当に信じられると思えるのは。
ヘリコプターから観覧車にダイブとか。
観覧車の窓をかかと落としでブッ壊しちゃう人間離れした力を発揮しちゃうとか。
そんな危険を冒してでも私を守ろうとしてくれた。
ううん。
守ってくれた香椎くんしか、やっぱりいないじゃない!!
一度強く瞳を閉じて、私は大きく息を吸い込む。
信じてくれる?
違うよ、香椎くん。
私はもう信じてるんだ!!
香椎くんが誰だろうと構わない。
香椎くんが何を考えていても構わない。
香椎くんは香椎くん。
私が彼を信じてるっていう現実は揺るがない事実なんだもん。