愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
「香椎くんッ!!」
トイレの前で想像通り、思いっきり女子たちを。
勿論女性と名のつく人という人を。
メロメロ、ガクガクにさせている香椎くんの腕を引っ張る。
「もうよろしいのですか、お嬢様?」
「ちょっと二人で話をしたいので、皆さまよろしいでしょうか?」
彼の腕をとったまま、うっとり顔の面々をぐるりと見回しニッコリと笑顔を振りまく。
すぐに私と香椎くんの前には道ができて、私は彼を引きずるようにしてそこを小走りに行く。
「どうかなさいましたか?
そんなに急ぐと、短いスカートの中身が見えてしまいますよ」
「そんなこと、どうでもいいっ!!
朝、私に言ったこと覚えてるなら黙ってて」
「覚えていなかったら黙っていなくてもいいんでしょうか?」
「殴られたいの?」
「お嬢様になら」
なんでこういうときにこういうことを言うかな、この男はっ!?
「確約、欲しいんじゃないの?」
「……そりゃ、欲しいけど」
つーか。
周りに人の気配がなくなった途端に『執事』の『仮面』外すの止めなさいよッ!!
「くれるの?」
背中から。
うなじから。
香椎くんの甘えたような声が飛んでくる。
そんな声で言わないで。
後ろは絶対に振り向けないッ!!