愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~

香椎くんの言っていることがよくわからない。

たしかに。
たしかにお母さんは自分が生まれてすぐくらいに亡くなったって聞いてる。


「事故って……そう聞いてたけど、違うの?」


香椎くんは一度目を伏せ、大きく深呼吸すると。


「本当はまだ言うべきじゃないのかもしれないけど。

ちゃんと話さないときっとキミを守れないと思うから」


もう後戻りはできないから……そう続けて香椎くんは強い力の籠った目を私に向けた。


「セリ」


香椎くんの視線にごくりと息を飲む。


「キミの首にかかったその秘宝をオレに預けてほしい」


ギュッと思わずそれを握りしめ、そっと視線を落とす。


「どうして私が持ってるって……これがそうだって香椎くんは知ってるの?」


その質問に香椎くんは少し淋しそうに笑って見せた。


「約束をしたから、オレは……キミは覚えてないだろうけど」

「約束……?」

「オレがキミに会ったのは、今が最初じゃないんだよ」


ドクン。
ドクン。


香椎くんと私。


もっと前から出会ってたってこと!?
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