愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~

配られた5枚のカード。

2が二枚。

あとの数は『4』『5』『6』。

柄はハートが二枚。

ダイヤ、スペード、クローバーと様々。

フラッシュは狙いにくい。

『3』を引き当ててのストレートを狙うか。

とりあえず『2』を残して『ワンペア』を取っておき、心理戦に持ち込むか。

ここで『2』が来れば『スリーカード』。

そんなに悪い手にはならない。

けれど。

確率的に……『スリーカード』は手にしにくいのではないのか?


思考はまとまらない。

駆け引きなんかしたこともない。


「ポーカーは心理戦だからね」


余裕たっぷりな声が横からふって湧く。

そんなこと言われなくたって分かってる。

でもカードゲームなんか、遊びでちょこっとしたことがある程度。

こんな大きな物を賭けてのゲームなんかしたことがない。


「さぁ、どうする? 降りる? それともカードを貰う?」


降りれば一つ目のチャンスが消える。

そんなことは出来っこない。


一か八か。


「カードを……一枚交換します」


ワンペアで心理戦なんか、私には出来ない。

真っ向、自分の運で勝負をかける。


思いっ切ってハートの『2』のカードを切り捨てる。
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