愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
配られたカードを見ても。
高い役を狙っても。
結局降りることを余儀なくされた。
二度目のゲーム。
私は『フラッシュ』を狙って『ノーペア』になる。
孝明は『フルハウス』で勝負に出たものの、岳尚が『フォーカード』で『負け』となってしまった。
三度目はと言えば。
私も孝明も『フラッシュ』で勝負。
岳尚は『フルハウス』。
3度のチャンスは見事なまでに簡単に無くなってしまった。
「惜しいねぇ」
その言葉にもう何度目になるか、私は唇を噛んだ。
悔しさも、歯がゆさもある。
確かに紫丞孝明は『負ける』ことが『必定』だと言った。
万に一つも勝てる見込みのないこの試合を、ではなぜしようと私に持ちかけたのか?
その意図も、その意思も分からない。
でも、香椎くんが絶対に信じているはずの人。
香椎くんを信じる私に対して、紫丞孝明本人も絶対的に信じているはず。
だから、大丈夫だというこの自分の勘を信じたい。
でも、どうしようもないところまで来てしまっている。
「次で賭けるものがなくなるよ、キミたち」
そう言って笑う岳尚をこの場でぶん殴ってやりたい!!
「さぁ、最後のゲームを始めるよ」
岳尚がどんな手を使っているのか。
次のゲームは落とせないのなら、せめてそれさえ落としたゲームで掴めていればと思うのに。
それがまったく分からない。