愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
私は再び手札に目を落とす。
『ノーカード』の状態。
柄もバラバラで、『フラッシュ』狙いも難しい。
「私も……全部変えます」
諦めない。
諦めない。
諦めない。
だから……私の運、この全てに賭けるから!!
孝明と私にオープンした状態でカードが配られる。
一枚、また一枚。
願っても。
祈っても。
無情にカードは配られる。
最終局。
私たち二人の役は『ワンペア』と『ノーペア』。
対する岳尚は……
「ストレートフラッシュ。
これで綾渡も紫丞も終わりだな」
そう言ってニヤリと岳尚は底意地悪く笑って見せた。
悔しさで涙がこみ上げる。
負けることが分かっていても、それでも諦めなかったから余計に悔しい!!
でもどうすればいい!!
どうしたらいい!!
「さぁ、この二人の始末をどうつけようか?」
背中に冷たいものが流れ落ちる感覚が襲う。
さっきまで人の気配さえしなかったのに、背後でなにかが動く。
振り返った瞬間に両腕を太い大きな手が掴み上げた。
「キャ!!」
助けて!!
助けて!!
どうなっちゃうの!?
香椎くんッ!!