愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~

「重たくないですか?」


そう言われ、私は返す言葉が見つからなかった。

私の奥深くを覗く香椎くんの瞳から、逃げたくてもがきたくなった。

見ないで。
見ないで。
見ないで。
見ないで。

そんな目で、分かったような目で。


「なんの話か分からないけど?」


誤魔化すように、彼の瞳から視線を逸らす。

香椎くんはゆっくり私の腕を離すと「そうですか」と言った。


「それならそのヨロイ、私がこれから剥いでいきましょう」


心臓を鷲掴みにされるような感覚が襲う。

低く、力強い声に、私の心の檻の中に閉じ込めている誰かがドンドンッとその扉を叩く。


「逃げ出したくなったって私は逃がしませんよ、お嬢様」


視線だけを向けた私に香椎くんはニッと白い歯を見せて笑った。


「私はあなたの執事ですから」

「か……勝手にしなさいっ!!」


胸が激しく鼓動していた。

ドクドク、ドキドキ。

止まれと叫ぶのに、その声など一切無視をして……
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