愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
「新しい二人の未来に向かって出発~!!」
ふふふ~ん。
鼻歌交じりの声が運転席から私の耳元に届く。
それは幸せで心地のイイメロディで……
「む……向こうでなんかいやらしいことしようとしても、まだダメなんだからねッ!!」
「まだってことは、そのうち許してもらえるってことなんですねぇ。それは今後がとーっても楽しみですねッ」
「ちょ……そういう意味じゃ……」
タクシーがスピードを上げて走り出す。
車の波の中を滑るように、走っていく。
ある日、現れた私専属執事様。
ヒツジの皮を被ったオオカミ執事様。
そんな彼と対等に渡り合える日がいつか来るのだろうかと……期待と不安に満ちたため息をつきながら。
ただ私は……
それでも小さな幸せの笑みを一つこぼしたのだった。
【END】