愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
気がついたら朝になっていた。
昨夜、ベッドにダイブしたまま、そのまま眠ってしまったんだということに今更ながらに気付いた。
のはいいのだけれど……
「お目覚めはいかがですか、お嬢様?」
今一番聞きたくない声が目の前から発射されていた。
どうしてこうなるのだろう。
どうしてここにいるのだろう。
そんなこと、答えは一つしかないけどね。
香椎くんは顔色一つ変えず、お決まりのキラースマイルを満面に浮かべて見せている。
何とも憎たらしい顔で苛立ちが募る。
朝から不快で仕方ない。
っていうか……
ハッと我に返って飛び起きる。
着替えがしっかりなされており、パジャマをしっかり着こんでいる自分に頭が痛い思いがした。
まさかとは思うけど、これ、香椎くんがやったんじゃないよね?
パッと香椎くんの方を見る。
香椎くんは小さく首を右に傾けて見せ、『どうかしたのかな~?』みたいな顔で私を見つめる。
どうかしたのかなじゃないっつーの!!
「着替え」
そう言うのが精いっぱいで、香椎くんに問う。
香椎くんは今度は左に首を傾けて見せ、意地悪~くにーっこりと笑んで見せた。