愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
あの一件以来。
香椎くんの傍から本当に離れられなくなってしまった。
理由は様々。
その一。
命の危険がまぢである。
その二。
執事からの課題である。
その三。
その三……それは……言いたくない。
っていうか、考えたくない。
本気の本気で本当に。
香椎くんにものっそいトキめいて、ドキドキして、クラクラして。
そんな自分の気持ちとか、感情とか、そういうの。
全部思い出したくないし、考えたくない。
っていうかね。
これもつり橋効果なのよ!!
あんな怖い出来事が起きて、不安でドキドキしているのに、香椎くんにドキドキしているみたいに心と頭が勘違いしちゃっただけなのよっ!!
と思いたい。
すごく、すごーく、そう思いたい。
ちらりと横を見る。
あの一件以来、香椎くんは周りを必要以上に警戒するようになった。
厳しい目。
厳しい顔。
真剣なその眼差しに……バカな私のハートがまた踊る。