愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
静まれ!!
静まれったら!!
こんな音。
絶対に、絶対に香椎くんには聞かれたくないんだからっ!!
ぶんぶんぶんっ!!
首がもげそうなくらい頭を振る。
どっか行け、こんなバカみたいな想い!!
相手はただの執事。
ちょっとルックスがいいだけの意地悪執事じゃない。
そんな相手に興奮してどうすんのよ、セリッ!!
でも正直。
あの台詞に私の心、思いっきりグラッグラきっちゃったのよ。
『オレの傍から離れないこと』
反則すぎる。
あれは反則すぎる。
だって『オレ』よ?
今まで『私』って言ってた香椎くんが『オレ』なのよ!?
あの至近距離であの目で『オレの傍から~』なんて言われたら……落ちない鳥がどこにいるよ?
「お嬢様」
耳元で香椎くんの声が響き、思わず「ひぃっ!!」と小さな悲鳴を上げて姿勢を正す。
ななななななななんでしょうかっ、香椎様!!