愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
「好き。嫌い。好き。嫌い。す……」
バカか、私は。
トイレットペーパーで『恋占い』なんて重症すぎるだろっ!!
「なにやってんだ、私……」
『ヨロイを脱いでいい』
なんて……熱っぽい瞳だった。
潤みがあって、色気があって。
上品で、だけどワイルドで。
って……結局何が言いたい、セリちゃんッ!!
ダメだダメだダメだダメだ!!
もう忘れるんだ。
このままじゃ何もかもが崩れてしまう。
今まで頑張って築き上げてきた『綾渡セリ』という世界を壊すことなんか今更できないし、そうなったら今までの苦労が全部台無しになってしまうじゃないか。
たかが『執事』の戯言だ。
聞き流そう。
忘れよう。
そして何もなかったと……
「思いたいー!!」
カラカラと音を立てるのはトイレットペーパーで。
気がついたら足元に溢れかえる淡いピンクのペーパーちゃん。
「はぁぁぁぁ。
バカすぎる」
薬があったらほんとに欲しい。
出来るなら『恋の特効薬』なぞ貰えたらありがたい。