愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~

どうしてそういうことを平気な顔してさらっと流すみたいに言っちゃうかな―。

勿体ぶって言われるのも嫌なんだけどさ。

それでもそんなにさらっと言われると、誰にでもそんなこと言っちゃえるんじゃね?なーんてことまで思っちゃうわけで。

いや、香椎くんに限ってそんな誰にでも言っちゃうな~んてことあるわけないよね。

うん、ない。

たぶん。

そう思いたい。


「お嬢様、これ、鳴ってましたよ」


私の悩みなど知らない男はそう言って、私の目の前にピンク色の四角いモノをぶらぶら吊り下げて見せる。

ストラップで振り子みたいにゆらゆらさせんの、やめてくれ。


「メールみたいです」


見たのか、オマエハ?


「着信短かったので、おそらくメールです」


ニッコリ。

この男なら中身のぞいて内容チェックとかやりかねない感じががっつりするんだけど。


「見てほしかったですか?」


私の心をズバリ当ててくるこの男が小憎たらしいよ!!


「見なくていい」

「そうですか?」


『本当は見てほしいくせに』


なんて目で見ないでくれ、香椎毅臣。
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