愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
しぶしぶと。
本当にしぶしぶと。
まぢでいやだけど。
半強制的すぎるんだけど。
それでも仕方なく岳尚様のメールを開く。
タイトルは『おねがい』と書いてあるんだけど。
お願い?
「ほぉ……『おねがい』ねぇ」
見るのまでは許そう。
となりでいちいち棘のある言葉を吐かんでくれ。
ゆっくりスクロール。
『今度の日曜、セリさんは何かご用事がありますか?
もしも無いようでしたら』
「『デートでもしませんか』?」
隣でブチっと血管の切れる音が聞こえた気がしたのは私の空耳でしょうか?
フッと隣の香椎くんを見る。
鬼の形相がグレードアップして閻魔に見える。
角とか牙とか。
背後にはブラックな炎がメラメラと燃えて見える気がしますです。
うぇ~ん。
こんなことなら一緒になんかやっぱり見るんじゃなかったよー。
って。
ちょっと待て。
「ででででででででぇとぉぉぉっっっ!!」
言った瞬間、自分の口を咄嗟に抑え込んだ。
やばい。
あまりの内容に自分自身を見失って大声だしてもうた。