愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~

「正解は『返信した』です」


その一言に私は一瞬、なにを言われたのか分からなくて真っ白になった。

いや。
その。
なんだ。
えっと。


へんしん。
変身。
変心。


「へ・ん・し・ん。
お返事書いて送っておきました」


ああ、やっぱりそっちよねって……


「はあぁぁ!?」


思わず香椎くんの胸倉つかんじゃったわよ!!

だってだってだっただって。


「なにを勝手なことしてんのよっ!!」


迫る私に、絞め上げる私に。
香椎くんはニコニコニコニコ。

まるっきり動じたところなく、私の手の上に自分の手をソフトタッチに置いて。


「だって執事ですもん」


そう答えるもんだから。

私のカーッと熱くなった怒りのボルテージが一気に冷めて萎えてしまった。

瞬間、私の手の中でケータイが着信を知らせて、けたたましく鳴り響く。

香椎くんの胸倉を離すとケータイの画面に目を向ける。


『九条岳尚様』


メールじゃなくて電話で返事来ましたけども。

がっつりやな予感に背中に変な汗が流れましたとも。
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