愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~

『ま、いるだろうことは分かってますからいいんですけれどね』


なんだよ、ウソついた私、意味ないじゃんっ!!


「申し訳ありません、岳尚様。
全て私が至らないばかりに……」

『いや、セリさんのせいではありませんよ。
彼の元々の性分なんでしょうから、ボクは気にしておりません』


どう考えてもこの台詞。
香椎くんのことをよくご存じでいらっしゃるとしか捉えられないですけど。


『ま、あなたの『出来損ない』の執事さんのことはこの際置いておいて。
デートの件ですが、セリさん自身はどうお考えでいらっしゃいますか?』


すみません。

なにげに今『出来損ない』言いましたよね?

さらりと、でもはっきりと。

ちょっとだけ。
いや、なんかすごくイラッとしましたけど、私。


ああ、でもダメよ、セリ。
相手は岳尚様。

九条の跡継様。

ここでブチ切れて


『テメェ、うちの執事のなに知ってんだよ、バカ野郎がっ!!』


なんてことは死んでも言っちゃダメなのよっ!!

落ちつこう。

深呼吸、深呼吸。
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