愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
「じゃじゃじゃじゃじゃ……断ろう。
そんな怖いこと起きそうなら、起きないうちに止めたほうがいいじゃない?」
もう一度ケータイを開く私の手から、華麗にスルリとケータイを取り上げる香椎くん。
そして私の顔に自分の顔を近づけて、にーっとそれはそれはとってもイジワル~な顔で笑って見せた。
「な……なに笑ってるのよっ!!
ご主人様が危険な目に合うかもしれないのよ!!」
そういう私に、けれど香椎くんはフルフルと小さく頭を振って見せた。
「そんな目に誰が合わせると?」
罠の予感がする。
危険だって言ったのおまえだろ。
「オレがキミを守れないとでも思ってる?」
だーかーらー。
この至近距離でそういう言い方止めてください!!
そんなこと言われたら。
「……お……思ってません」
としか答えられないじゃないのさ!!
しかも小声。
情けないけど、これが精いっぱい!!
「じゃ、もっと信じて」
身体の内側の一本通った部分に、その言葉は浸透していく。
「あんなヤツには絶対に、指一本触れさせないから」
そう言って私の両手を掬いあげる。