愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
それからニッコリと今度はとんでもない笑顔を向けて
「これはしばらく私がお預かりいたしますから」
とすっかり執事モードに戻って言った香椎くん。
えっとですね。
なんでしょうね、この恋人モードっぽいフリから執事モード変換って。
ギャップ?
ギャップを見せつけて私の心に何か揺さぶりを掛けてるってかんじなの?
いやいやいや、ちょっと待ってって。
冷静になれ、私!!
なにをお預かりしますって?
見れば私の手にはなぜか見慣れぬケータイが握らされており。
「なに、これ?」
「ケータイです」
「見ればわかるけど。
私、ケータイは持ってるし」
「しばらくこれは私がお預かりしますって言ったでしょ?
でもいざってときに連絡できないと困るでしょうから、私直通ケータイをお渡ししたんです。
お嬢様に必要なのは私以外ないでしょうから」
そう言うと香椎くんはニマニマしながら「ではおやすみなさいませ」と、私をきちんと部屋まで送り届けて自室へと去っていった。