愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
「ではお嬢様、先にエントランスでお待ちください。
私も支度してからすぐに参りますので」
ニッコリと笑みを残してまたしても消えて行く香椎くん。
彼のその笑みと支度という言葉に若干の不安を覚える。
なんだろうなー。
今日のデート。
なんか……がっつり戦の臭いが漂っている気がしてならない。
岳尚様と香椎くんはどうあっても仲が悪そうだし。
そんな二人の狭間に立たないといけない私ってどうよって思うし。
結局、もう逃れられないんだから腹くくるしかないんだけどさ。
それでもね、どうか今日は穏やかに一日が流れますようにって。
そう思わずにはいられない。
香椎くんに言われたようにエントランスのソファにどっかり座りこみ
バックの中身を最終チェック。
直通電話も持ってるし、脂取り紙もハンカチもオッケー。
っていうか……バックの横についている見慣れないテントウ虫に目が点になる。
「こんなの付けたっけ?」
5センチくらいのでっかいテントウ虫さん。
気になって触って後悔した。
ビービービービー。
けたたましい音で鳴かれた。
なんてこと!!
これ、防犯ブザーじゃんっ!!