聖霊の宴

痛みに声をあげるワイズを見下し、フィニは笑っていた。

「ふははは。確信したぞ、ワイズ王。私のギフトは貴様のギフトを凌駕する。」

服の袖を破り、ワイズは左肩に巻き付け止血をした。

その際の痛みに顔を歪める。

「私の与えられた異質は、貴様の持つ風を無効化し腐食させる。」

フィニは誇らしげに月下の鎧と血涙の鎌を撫でる。

そしてまた視線を元に戻すと、言う。

「さぁワイズ王。貴様の持つ本物の『早春の指輪』を私に渡せ。」

ワイズを見下し、フィニが手を伸ばす。

大陸王のまさかの苦戦。

しかしワイズは笑っていたのだった。




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