聖霊の宴
この世に降り立ったシルフィードがワイズの右肩に座る。
「さぁフィニ、見るが良い。これがギフトの先の力、神々の遺産『オーパーツ』だ。」
莫大な魔力がシルフィードに注がれ、シルフィードが変形していく。
「神々の遺産……『オーパーツ』だと!?」
形を変えたシルフィードがワイズの肩に巻き付く。
それはまるで天使の様に美しく、鷹の様に勇ましい翡翠色をした翼だった。
「これが僕の真の力だ。『オーパーツ・憂の碧翼』」
フィニは悟った。
「こ、これが大陸王の真の力。これが……」
ワイズの翼が光を放ち、縦横無尽に辺りを舞いながらフィニへと向かっていく。
「アスタロト『月食』!!」
月下の鎧が輝いたその瞬間、フィニの視界にはもう翡翠色の光しか見えてはいなかった。
食らうなど不可能。
回避すらも出来ないその光の波はただ呑み込まれる以外になく。
「そうか、これが……王になる者とならざる者との差か……」