聖霊の宴


シルクは外へと出て歩く。

「…………。」

何を考えているのか聞かずともミカエルには分かっていた。

『……シルク。』

心配そうなミカエルの声。

「……ぷっ。」

『シルク?』

「ぷはははは。」

シルクは急に笑いだす。

これにはミカエルも困惑した表情だ。

「はは。ごめんミカエル。キミがあまりにも心配そうな声だったから。……大丈夫だよ。」

『……ふっ。ええ、分かっていますよシルク。』

決意の瞳。

ミカエルは時折驚く。

まだまだ未熟で魔力も弱い少年が時に見せる、その強い眼差しに。

『マリアのことはフレア王に任せて、私達はここを経ちましょう。』

「うん、そうだね。僕はもっと強くならなければならない。1人でも戦えるだけの強さを……」

そして2人が旅立つ。

次の戦いに備え、力を付ける為に。






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