聖霊の宴

ミカエルがそれに気付いた瞬間、そいつは姿を現した。

『よぉミカエル。久しぶりだなぁ。』

『お前は――』

ミカエルと瓜二つの顔。

でも全てが違う。

放たれる魔力は憎悪に満ち満ちていて、野獣の様な瞳はただ恐怖だけを感じさせる。

『まさか宴に呼ばれていたとは……ルシフェル。』

ルシフェルはにやりと笑う。

「お前は弱過ぎるシルク・スカーレット。まぁ弱い原因はお前だけにあるわけじゃないけどさ。そうだろ?ミカエル。」

ソフィアの言葉にミカエルの顔色が変わった。

「ミカエル?」

シルクの瞳を真っ直ぐ見つめるミカエル。

その目はいつもと違っていた。

「何を恐れているんだい?大天使よ。紛い物のギフトでこの戦いを勝ち抜けるとでも思っているのか?」

その言葉にシルクは息を呑んだ。

シルクはミカエルの瞳を強く見つめる。

「ミカエル、紛い物のギフトってどういうこと?」





< 113 / 406 >

この作品をシェア

pagetop