聖霊の宴
ミカエルがそれに気付いた瞬間、そいつは姿を現した。
『よぉミカエル。久しぶりだなぁ。』
『お前は――』
ミカエルと瓜二つの顔。
でも全てが違う。
放たれる魔力は憎悪に満ち満ちていて、野獣の様な瞳はただ恐怖だけを感じさせる。
『まさか宴に呼ばれていたとは……ルシフェル。』
ルシフェルはにやりと笑う。
「お前は弱過ぎるシルク・スカーレット。まぁ弱い原因はお前だけにあるわけじゃないけどさ。そうだろ?ミカエル。」
ソフィアの言葉にミカエルの顔色が変わった。
「ミカエル?」
シルクの瞳を真っ直ぐ見つめるミカエル。
その目はいつもと違っていた。
「何を恐れているんだい?大天使よ。紛い物のギフトでこの戦いを勝ち抜けるとでも思っているのか?」
その言葉にシルクは息を呑んだ。
シルクはミカエルの瞳を強く見つめる。
「ミカエル、紛い物のギフトってどういうこと?」