聖霊の宴
『弱すぎる。弱すぎるぞミカエルよ。貴様のパートナーはこんなものか?』
ルシフェルが見下すように言う。
『こんな程度では来客に勝つことは不可能だ。やつは強いぞ。』
もう1人の残った来客ゲセニア・アルボルト。
冥界の王ベルゼブブを操る凶悪な使い手。
現時点でシルクとゲセニアが戦ったとして、シルクが勝つ可能性は皆無だ。
『悪いことは言わねぇ。この戦いから降りるか……アレを開けるか。』
アレにミカエルが反応した。
その瞳はひどく動揺している。
『ルシフェル貴様……アレを開けたのか?』
ルシフェルはにっと笑う。
それがミカエルの問いに対する答えだった。
『ま、その餓鬼を殺したくねぇなら、選ぶことだ。まぁ、戦い降りるなんてぬかしたらオレ達が殺すけどな。』
「それじゃあ選択の余地がないじゃないかルシフェル。」
『ん?そうだな。くははははははは。』
黒い煙がソフィアとルシフェルを覆っていく。
『次会う時には貴様を殺す時だミカエル。それじゃあな。』
そう言い残してソフィアとルシフェルは煙の様に消えていった。
残されたシルクを見つめるミカエル。
彼は選択を迫られていた。