聖霊の宴

「はい。金と食料をよこせと言って、今は村長の家に。」

女性はひときわ大きな家を指差した。

「ありがとう。あなた達はここで身をひそめていて。」

「はい。はいぃ。」

女性は手を合わせながらグレイシアを見ていた。

グレイシアは少しだけ赤子を見つめて、そして村長の家へと近付いていく。



「……!!おい、村長の家に近付いていく女がいるぞ?」

「どうする?フランジェ様には誰一人近付けるなと言われているが。」

民家の影に潜む野党。

「決まっている。誰であろうと殺すまでのこと。銃をかまえろ。」

「へぇ。」

カチャ。と銃がグレイシアに向けられる。

そして次の瞬間。

ドパン。パパパパン。

容赦なく引かれた引き金。

的確に放たれた弾丸が、グレイシアに当たる手前で停止した。

「……なっ、なんだと?」

すうっ、と弾丸の放たれた方を向くグレイシアの瞳に、野党の姿が写る。

「……シヴァ。『ブリザード』!!」








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