聖霊の宴


その時、天空に五本の流れ星が光ったのをシルクは確かに見た。


景色がゆっくりと流れる中で、その星の一筋がシルクに向かい墜ちる。

その光に包まれた時、シルクの中で何かが囁いた。

『……今宵の陰月は始まりを告げる月。あなたは選ばれたのです、さぁ……立ち上がりなさい。』

不気味なほど暖かい光に包まれる。

脇腹をえぐり取ろうとしていた猛獣の爪はその光に触れた瞬間、弾ける様に後方に仰け反る。

「……な、なんだこれ。力が溢れてくる……」

シルクの身体は光り輝き、全身に血が力がみなぎっていく。

『……さぁ、聖霊の宴が始まります。』








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