聖霊の宴
狂戦士の寝床は他の山とは違っていた。
活火山を中心に持つそこは、火山の噴火による灼熱に常時包まれている為に木々が育たないのだ。
あるのは木の様にゴツゴツと固まった火山岩のみで、広大な敷地が全て漆黒の岩で埋め尽くされていた。
「凄い場所だな。活火山のせいか、地中から強い力を感じなくもないし。」
地脈から感じる力に肌が震わされる。
そこにわずかに混じる、負の魔力をシルクは感じ取っていた。
山頂にたどり着き、2人は相対する。
「よく、ここまでたどり着いたと褒めてやろうシルク・スカーレット。」
「長く待たせてしまったねゲセニア・アルボルト。」
ビリビリとする魔力の交換。
2人は互いに、初めて会った時とは隔絶された力を感じていた。
ゲセニアは心なしか愉快そうに笑った。