聖霊の宴
ゲセニアの左腕から炎があがる。
「ベルゼブブ『ヴァコース・テリトリー』!!」
闇が燃える左腕を包み込む。
炎は消えたが、軍服の左袖がただれていた。
ゲセニアの顔が初めて歪む。
「子癪な真似を。光の使い手が『炎』を使うなど。」
「炎じゃあない。」
「なに?」
ゲセニアはただれてしまった左袖を無理矢理に破きとった。
シルクはゆっくりとゲセニアを見る。
「白炎は『光』さ。一点に焦点を絞った光熱によって炎があがるんだ。勿論魔力で底上げしているけどね。」
すっ。とシルクは右手を広げた。
「なにをしている?」
ゲセニアの問いに応えはない。
シルクは魔力を込めると、ある物をイメージする。
それは光となり、形を成し、辺りを燦然と照らしながら具象していく。
「白炎を取り込んだ光の剣『レイ・ライン=太陽神の剣=』」