聖霊の宴

光がシルクの背中に集まり、燦然と輝く。

「第五の力――『皇翼』」

溶けだしたマグマがシルクを飲み込もうとした瞬間。

シルクは天高く飛翔した。

「小賢しい能力を……」

その背中には身の丈の倍はあろう純白の翼が生えている。

シルクは翼をはためかせ空に留まる。

「闇土竜――『黒紫霧霜=コクシムソウ=』」

巨大な闇がその口を広げ、空すらも飲み込もうと迫る。

シルクは翼を内側に張り、自らを包む様にして魔力を込めた。

「掻き消せ『殲光=センコウ=』」

そして思い切り翼を広げ、光の羽を矢の様に放つ。

空中で闇と光がぶつかり合いどちらともなく飲み込んでいく。

「おおぉぉぉぉおっ……」

「はぁぁぁぁあっ……」

闇と光がせめぎ合い、辺りの物を次々とその混沌の狭間に飲み込み始めた。

岩が崩れ砂ぼこりが舞い、周りの重力すらも飲み込んでいく。

「たかだかギフトが私のオーパーツに勝てると思うなぁあ!」






< 141 / 406 >

この作品をシェア

pagetop