聖霊の宴
光がシルクの背中に集まり、燦然と輝く。
「第五の力――『皇翼』」
溶けだしたマグマがシルクを飲み込もうとした瞬間。
シルクは天高く飛翔した。
「小賢しい能力を……」
その背中には身の丈の倍はあろう純白の翼が生えている。
シルクは翼をはためかせ空に留まる。
「闇土竜――『黒紫霧霜=コクシムソウ=』」
巨大な闇がその口を広げ、空すらも飲み込もうと迫る。
シルクは翼を内側に張り、自らを包む様にして魔力を込めた。
「掻き消せ『殲光=センコウ=』」
そして思い切り翼を広げ、光の羽を矢の様に放つ。
空中で闇と光がぶつかり合いどちらともなく飲み込んでいく。
「おおぉぉぉぉおっ……」
「はぁぁぁぁあっ……」
闇と光がせめぎ合い、辺りの物を次々とその混沌の狭間に飲み込み始めた。
岩が崩れ砂ぼこりが舞い、周りの重力すらも飲み込んでいく。
「たかだかギフトが私のオーパーツに勝てると思うなぁあ!」