聖霊の宴
シルクから魔力が溢れだす。
純白だったシルクの魔力が黄金に輝き、両の足に収束していく。
「――第六の力だと?いったい何処にそんな力が!?」
収束した魔力が強力な輝きを放ち、それが靴の形に変化する。
「――第六のギフト『タラリア』」
「……黄金の翼の生えた靴だと?」
見た目は普通の靴だが、くるぶしの辺りから黄金に輝く翼が生えていた。
「何だソレは?靴からは確かに強力な魔力を感じるが、貴様からは何も感じないではないか。その状態で私に勝てるとでも思ったか――ベルゼブブ!」
放たれた闇がシルクを飲み込もうとした瞬間
「――――なっ!?」
ゲセニアはシルクの姿を見失った。
次の瞬間。
「――こっちだよ。」
ゲセニアの背後に突如現れたシルク。
無防備な背後から思い切り拳を振る。
「『ヴァコース・テリトリー』!!」
しかし闇は一瞬にしてゲセニアを包み込み、打撃を受けとめた。
闇が払われる。
「ふん――何かと思えばただ速くなっただけか。そんなもの私の魔力で叩き潰してくれるわ!」
空に向かって解き放たれた闇。
僅かな時間、空に留まっていたそれが流星の様に地上に降り注ぐ。