聖霊の宴

「――『黒時雨』」

スコールの様に降り注ぐ闇の雫。

大地すらも腐敗させていく闇。

シルクはその雫一つ一つを回避していく。

すると違和感が身体をはしる。

「……魔力の消耗が激しい。すぐに決着を付けなきゃ。」

超速移動でまたもゲセニアの背後を取るシルク。

しかし、すぐに闇がゲセニアを包み込む。

「性懲りもない馬鹿めが。貴様の力など私には届かな――なっ!!」

足を振り上げたシルク。

その足を包み込むタラリアから地面を弾け飛ばすほどの魔力が放たれる。

強力な魔力を纏ったその足を振り切る。

「はぁぁぁあっ『天蹴』」

――ドッ!!

「――なっ、なんだとぉおっ!?」

今までビクともしなかった闇がえぐれ、そのままゲセニアを吹き飛ばす。

「はぁ、はぁ。ここで決める!」

再び尽きかける魔力をなんとか振り絞り、シルクは最後の連打をしかけるのだった。

「おぉぉおっ『天蹴蓮華』」
怒涛の連撃に取り払われていく闇の衣。

「ぐぉぉぉぉぉおっ……」

「はぁぁぁぁぁぁあっ!」







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