聖霊の宴
ルークはその足でシルクを迎えに行った。
城下街の外れ、王家が管理する空き家。
その扉をゆっくりと開く。
「……こ、これは!?」
室内に飛び散ったおびただしい血。
扉の前に横たわる男の亡骸。
そこにシルクの姿は無かった。
「――!手紙?」
机に置かれた手紙を手に取る。
『ガキは預かった、返して欲しければ1人で嘆きの丘へ来い』
「双蛇に冠……ヘルニスのマークか」
ルークは手紙を握り潰す。
そして抑え切れぬ怒気を放ちながら出ていくのだった。
そしてこのことにクラフィティが気付くのは日付が変わる頃であった。