聖霊の宴

ガキィィィィィン。


鉄と鉄のぶつかり合う音が丘に響き渡る。

「貴様は……オルター・クラフィティ」

「久しいなヘルニス」

ガッと剣を振り払い間合いを取る2人。

クラフィティはちらりとルークを見た。

「気高き騎士ルーク・スカーレットよ。君の子供は、いや君の血縁は私が守ると誓おう」

「クラフィティ伯爵……」

「来るのが遅れた、済まなかった」

飛び出したクラフィティ。

ヘルニスはシルクを投げ捨てクラフィティの刄を受け止める。

ルークは左腕一本でどうにかシルクの元へと、駆け寄った。

そして愛しい我が子を抱き締める。

「シルク良かった、良かった。父はここで逝くがお前はあの気高き王をいつまでもお守りするのだ」

ルークの視界が消える。

「シルク……愛している」


シルクを抱き締めたまま息耐えたルーク。



半日続いたヘルニスとクラフィティの死闘も、不老不死の呪いを持つクラフィティの特異性が勝りヘルニスは死んだ。





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