聖霊の宴
そして四十年が経つ。
クラフィティはシルクを立派な騎士へと育て上げ、側近として一番近くに置いた。
「クラフィティ伯爵」
「何だシルク・スカーレット?」
「東方での暴徒が勢力を増してきているようです。私が行きます」
「ならぬ。私が出よう」
クラフィティは杖を手に歩きだす。
「私の使命はあなたをお守りすることです。例えあなたが不老不死の呪いにかかっていようと、王たるあなたは戦地で血を流すべきでない」
シルクの言葉にクラフィティは驚く。
「……ふっ。知らぬはずの父と同じ台詞で私を諭すか。スカーレットの血は実に面白いな」
「……?どういうことですか?」
「何でもない。行くぞシルク・スカーレット。それほどまでの忠義、戦地で私を守り通すことで見せてみせよ」
「はい!」