聖霊の宴
「くっ、なんでガードも攻撃もできないんだ?」
『分かりませんが、フレアの術中にはまっているのは確かでしょうね』
体勢を立て直したシルク。
フレアは追撃もせずに悠々とシルクを見下ろしていた。
「どうした?こんなものなのかシルク・スカーレット」
「くっ、まだまだ」
左腕に巻き付いた炎を振り払い、立ち上がるシルク。
「いくぞ『光撃』」
「ふん、そんな攻撃がオレ様に届くとでも?『ファイア・ウォール』」
フレアの足下から立ち上った炎の壁がシルクの光を遮断する。
そこに一点の違和感を感じたシルク。
「そぉら」
フレアの火炎車輪がシルクへと向かう。
左に跳んだシルクに向かい、更に2つの火炎車輪が放たれた。
「これじゃあ避けきれない――『タラリア』」
黄金の光がシルクの足を包み込んだ瞬間。
フレアはシルクの姿を見失う。