聖霊の宴
シルクは読みおわってからも、手紙から目を離すことができないでいた。
あまりにも現実離れした内容に、思考が止まる。
「……炎王と戦う権利?なんだそれ……聖霊の宴っていったい何なんだ?」
「……シルク。顔色悪いよ、何かあったの?」
「……!!」
いつの間にかリコが背後にいたことに気付かなかった、シルク。
肩をビクッと揺らしながら振り返った。
その様子を見たリコが申し訳なさそうに言う。
「あ、ごめんぬ。驚かせるつもりはなかったんだけど……」
リコの表情にようやく思考が戻るシルク。
「ううん、大丈夫だよ。何か用?」
にこっと笑いかけるシルクに、リコは安心した晴れた表情で言う。
「パパが昨日のお礼をしたいから、今日は朝ご飯を家に食べに来なさい。だって。だからちょっと早いけど、シルクなら起きてると思って呼びに来たの。」
シルクと一緒にご飯を食べられることがよほど嬉しいのだろう、リコは満面の笑顔を見せていた。
「さぁ、行こう?」