聖霊の宴
「早ぇなぁしかし……でもオレ様のプロミネンスに勝る力などない」
微動だにしないフレア。
目で追えていないことはわかりながらも、シルクはその瞬速に幾つものフェイントを織り交ぜる。
左右、上下、前後、ただフレアの左側面に周り込むという動作だけのために、織り交ぜたフェイントの総数は実に32回を超えた。
(大丈夫だ目でも感覚でも追えてはいない。このまま、いける――)
シルクは太陽神の剣を振り上げ、フレアの左側面に潜り込む。
「はぁあっ!!『蒼火炎刃=ソウカエンジン=』」
青く燃え盛る剣をふりかざしたシルク。
「舐めるなよ――『コロナ=白淡光輪=』」
フレアの周囲1メートルに淡く白い光の輪が浮かび上がる。
と、同時にシルクの白銀の腕輪が輝き、悲鳴を上げた。
『ゲァーーーーーーーッ……!!』
シルクはそれに反応して手を止めた。
それは白い輪に触れる一寸手前であった。
シルクはタラリアで一気に距離を取る。