聖霊の宴
四大陸の中央。
天からの光が差し込む場所の海が割れた。
海水が一気にその割れ目に飲み込まれていく。
空気をもいっしょくたに飲み込むそれは、白い泡を吹き出しながら尚を海水を飲み込み続ける。
大陸にはかつてないほどの地震が広がり、人々は皆息を潜めてその時をやり過ごそうとしていた。
地鳴りが始まってからどのくらいの時が経っただろうか。
ある瞬間を境に、海がまた静かになる。
地鳴りは止み、世界が静けさに包まれた。
――のもつかの間。
飲み込まれた海水が一気に吹き出されるのと同時に、海中から小さな大陸が浮かび上がってきたのだった。
天からの光に怪しく照らされる大陸。
人が百人も乗ったら満杯になってしまいそうな小さな大陸には、似つかわしくない大きな祠(ほこら)だけがあるのだった。