聖霊の宴
アバンカールドへたどり着いたシルクを祠の前で待っていた男。
シルクに向かい優しく微笑む。
「やぁ、新しい立夏の大陸王シルク・スカーレット。ボクは早春の大陸王ワイズ・スプリングだ宜しく」
差し出された綺麗な手をシルクは握り返す。
「他の2人はもうこの中にいる。さっそく儀式を始めよう」
「……儀式?」
「そう大陸王となった者は100年の間、神に使え大陸を治めることになる。
それには『天命の儀』といわれる儀式をしなければならない」
ワイズはゆっくりと祠に足を踏み入れる。
シルクもそれに続き、さきほどまで海中に沈んでいたのに、松明が燃えるその中へと入っていくのだった。